突然ですが…
僕の大好きな言葉の1つに「不労所得」という言葉があります。
「不労所得」とは、働かないで得るお金のことです。
働かない。でもお金がもらえる。
なんて素晴らしい言葉なんでしょう。夢みたい。
…でも待ってください。
働かないでお金をもらえるなんて、そんな美味しいことがこの世の中に本当にあるんでしょうか?
よく「ブログは不労所得だ!」なんて言われることがあります。
SEOが上手くいけば、寝ていても遊んでいても収益が発生するからです。
でも一方で「更新を止めたら検索順位は落ちる」「維持するだけでも大変」という意見もあります。
そんな今回は、
実際に2年間更新を止めて放置したブログのデータを公開し、
- ブログは不労所得になりえるのか?
- 不労所得で生活することは可能か?
…という点について徹底検証していきます!
不労所得とは?
そもそも「不労所得」ってどんな定義なんですかね。
wikipediaに記載されている内容を載せておきましょう。
不労所得(ふろうしょとく、英: unearned income)とは、それを得るために労働する必要がない所得のこと。 労働の対価として得る賃金・報酬以外による所得を指し、働かずとも得られる収入または収入源という意味で用いられることが多い。
引用:wikipedia「不労所得」
冒頭にも書いたとおり、不労所得というのは労働を伴わない収入のことです。
正確にいうと所得と収入は違いますが(所得=収入-経費)ここではざっくり収入とします。
具体的にどんなものが不労所得とされているかというと、
下記のようなものが挙げられます。
●預金の利息、貯金の利子
引用:wikipedia「不労所得」
●株式の配当
●債券(国債、社債など)の利子
●先物や外国為替証拠金取引の売買益
●不動産経営(家賃収入)
●生命保険の給付金
●年金・恩給
●ベーシックインカム
●子ども手当・児童手当
●雇用保険・失業保険
●定額給付金
●宝くじの当選金
●公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)の当選金
●各種印税
●各種補償金
よくあるものでは、
銀行預金の利子・投資利益・家賃収入・保険金・ギャンブル・印税…みたいなものが「不労所得」に該当するようです。
たしかにこれらは働かずにお金を得ることができますね。
(大家さんは大家さんでかなり大変だし、印税だって本を書くという労働の結果だとは思いますけども…)
ブログは不労所得か?
では、ブログやアフィリエイトは不労所得に該当するでしょうか?
ブログ収益を不労所得として生活することは可能でしょうか?
たとえば、SEO(検索エンジン対策)が上手くいって、
安定的に検索結果に上位表示できているブログやアフィリエイトサイトであれば、
なにもしなくても24時間365日、GoogleやYahoo!などの検索結果からどんどんユーザーが来訪します。
たとえ遊んでいても、寝ていても、毎晩飲んだくれていても、
検索からのアクセスさえ発生していれば収益が入り続けます。
成功しているブログの大多数は、アクセス内訳の70~90%が自然検索です。
つまり検索流入さえ維持できれば収入も維持できるはずですよね。
ということは、ブログも不労所得ではないでしょうか?
一方で、ブログは更新しないと順位が落ちると言われているので、
結局は更新作業やメンテナンスという労働をすることになります。
だから「ブログやアフィリエイトは不労所得ではない!」という意見もよく見かけますよね。
大変ごもっともな意見だと思います。
ただ、更新を一切ストップしてもたぶん数か月は検索順位を維持できると思うので、
短期的には不労所得になりえるのではないでしょうか?
数か月に1回更新するくらいの手間であれば、それは労働ではないとも言えるので、
やはりブログを不労所得にするこも可能なのではないでしょうか?
…と、想定で話を進めていてもいまいち明確に答えは出ませんよね。
なので、実際に更新を一切止めたブログのアクセス推移や収益推移を見つつ、
「ブログは不労所得になりえるのか?」を検証してみたいと思います。
実験|ブログを2年間放置してみた
僕が保有するブログの1つに、
ちょうど2年前に更新を停止して放置しているブログがあります。
(ごくたまに過去記事の再投稿などは実施していました)
この放置ブログのアクセスと収益がどう推移したかを見てみましょう。
上記がPV(ページビュー)数の推移です。
- 放置半年で、PV数が55%減少
- 放置1年で、PV数が75%減少
- 放置2年で、PV数が90%減少
もともとアクセスが減少してきたからブログを放置したというのもありますが…
予想よりもかなり急激にアクセス数が減少しています。
ピーク時から放置を始めていたらもう少し減少幅がゆるやかになるのかもしれませんけどね。
上記がアドセンス広告(現グーグル広告)の収益額の推移です。
- 放置半年で、収益が50%減少
- 放置1年で、収益が70%減少
- 放置2年で、収益が90%減少
実際にはアフィリエイト広告からの収益がプラスされる(むしろそっちの方が金額が大きい)のですが、減少率としてはほぼ同じです。
アクセス数よりも多少はキープできていますが、半年後には50%も減少してしまっています。
1年後には収益が1/10になってしまっています。
結論|ブログは不労所得ではない!
前章の検証結果を見ると、
ブログの更新停止によるアクセス減少・収益減少のスピードは予想以上に速いということが分かると思います。
半年後には約半分、1年後には7~8割減となり、
2年後にはほとんど無くなってしまいました。
すでにピークアウトしてしまった後のブログの事例ではありますが、
そもそも伸び盛りのブログを放置するなんてもったいない事をする人はあまりいないでしょうから、
だいたい似たような推移を辿るのではないでしょうか。
つまり、完全に更新を止めてしまったブログで収入を維持することは難しく、
- ブログは不労所得ではない
- ブログを不労所得として生活することはできない
と結論づけることができます。
適度に更新すれば維持は可能?
例外として、もし情報の更新性が求められないようなジャンルや
競合サイトの参入が少ないジャンルであれば、
それほど順位を落とさずに収益を維持することができる可能性もあります。
また、完全に放置するのではなく、
1か月に1~2回など適度に更新をおこなっていけば、減少幅をゆるやかにすることができるかも知れません。
月に1~2回の更新作業を「不労」と呼べるかどうかはわかりませんけどね…。
ちなみに「SEOに更新頻度は関係ない」という意見も数多くあります。
Googleのジョン・ミューラー氏も以下のように述べています。
更新頻度は重要ではない。重要なのは全体としてすばらしくあることだ。
引用:Web担当者フォーラム
しかし、これをまともに信じていいのでしょうか?
たしかに検索エンジンは更新頻度を重要視していないのかもしれません。
でも一方で、
- 更新によって記事の質が良くなる
- 頻繁な更新によって信頼性が高まる
- 常に新しい情報があるためリピーターが定着する
…というSEO上のメリットが生まれるのも確かです。
順位というのは相対評価ですから、競合サイトがあなたのブログよりも良い記事をハイペースで公開している場合、
どう考えてもあなたのブログの順位は下がるでしょう。
そもそも更新がなく古い情報ばかりで、ろくにメンテナンスもされていないブログをあなたは信用できますか?
ユーザーに信用されないブログをGoogleが評価するわけがありませんよね。
つまり更新頻度は間接的に検索順位に影響するのです。
この点で考えても、ブログを不労所得と呼ぶのはやや無理があります。
6.まとめ
ブログ収益を不労所得として生活するのは、想像以上に難しいと思います。
更新を止めた後の収益減少は、想像しているよりもかなり速いスピードで進むからです。
もちろん上手くやっている人もいます。
ブログやアフィリエイトで得た(金銭的・人的・知的すべての)資産を元に、
他の不労所得的なビジネスに出口を見つけたり、
その影響力を元に高額な情報商材やサロンなどで収益を得るインフルエンサーもいます。
(批判的な意見も多いですが、僕は「上手くやってるなぁ」と関心します)
他にも、外注をうまく使って自らは不労所得的なポジションで事業を運営している人もいます。
もちろん他人の能力を見る才能や、うまく能力を引き出してコントロールするディレクション能力があるからこそですけどね。
いずれにせよ。
不労所得とまでは言えないけれど、ブログはあなたの大切な資産になることは間違いありません。
ブログやアフィリエイトサイト運用で得た知見は、その後のあなたの人生に必ず役に立ちます。
アクセスや収益は残りませんが、知識や経験は消えませんからね。
それは真実です。
ブログがあなたの人生を素晴らしく変えてくれることを祈りつつ、
今回はこのへんで筆を置かせていただきます。
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