トピッククラスターとは、近年注目を浴びている内部リンクを活かしたSEO対策。
1つの記事単体ではなく、複数ページ(記事)の団体戦で上位表示をねらう戦略です。
高いE-A-Tが求められる近年のSEOでは、個人ブログやアフィリエイトサイトで上位表示を狙うことが難しくなりました。
しかしトピッククラスターは、そんなドメインの強くない個人メディアでも検索上位をとれる「弱者の戦略」なのです。

でもトピッククラスターってなんだか難しそう……

いや、コツはいるけどぜんぜん難しくないよ!
- トピッククラスターってなに?
- トピッククラスターの作り方を教えて!
- トピッククラスターに役立つツールってある?
本記事では、トピッククラスターの基礎知識から、具体的なトピッククラスターの作り方まで、
初心者にもわかりやすいよう、丁寧にくわしく解説します。
トピッククラスターとは
トピッククラスターとは、1記事ずつではなく複数の記事をつかった団体戦で検索結果の上位表示をねらう戦略です。
具体的には、上位表示させたいピラーコンテンツ(親記事)に、たくさんのクラスターコンテンツ(子記事)を内部リンクでつなぐように構成します(上図参照)。
さらに、関連性の高いクラスターコンテンツ同士も、必要に応じて内部リンクでつなぎます。
複数の記事のまとまりでピラーコンテンツの評価を高められるので、狙ったキーワードで上がる確率が高くなるという仕組みです。
基本的にはピラーコンテンツ(親記事)を上位表示させるための手法ですが、トピッククラスター全体(個々の子記事)も上位表示されやすくなるのもメリットです。

1記事では上がらないビッグキーワードも、団体戦なら上がりやすくなる!
トピッククラスターは、2017年にHubSpotが発信したことで注目されました。
従来の雑然としたサイト構成をあらため、サイト内に複数のトピッククラスターを形成することでドメインオーソリティ(ドメインの権威性)を効率的にシェアし、SEO的な戦闘力を高めたのです。
画像引用:トピッククラスターを活用したブログの最適化-HubSpot日本語公式ブログ
ブログ記事はすべてピラーページにハイパーリンクされており、一部の記事間でもハイパーリンクされています。これによってドメインオーソリティを共有し、ひとつのクラスター内にあるすべてのブログ記事がテーマとなっている特定のキーワードに対して上位表示されるようになり、トピッククラスター全体がSERPで上位に表示されるという仕掛けです。
引用:トピッククラスターを活用したブログの最適化-HubSpot日本語公式ブログ

SERPとは検索結果のページのこと
トピッククラスターを構成する2つの要素について、さらにくわしく解説しましょう。
ピラーコンテンツ
ピラーコンテンツ(ピラーページ)とは、記事群の中心となる「親記事」のこと。
1語、2語のビッグ~ミドルキーワードを狙う、比較的広範囲の情報を網羅する記事になります。
「まとめ記事」とも呼ばれ、トピッククラスターの軸となる重要な記事です。


ビッグキーワードとかミドルキーワードとかが分からない人は上図を参考にしてね
キーワードパターン | 具体的なキーワード例 |
---|---|
商品ジャンル + おすすめ 系 | 「ポケットWi-Fi おすすめ」 「ゲーミングPC ランキング」 「apple watch 比較」 |
商標名 + 口コミ・評判 系 | 「楽天モバイル 評判」 「博士ルーペ 口コミ」 「pixel6 レビュー」 |

こういうキーワードって、確かに1記事だと上位表示が難しいわね

トピッククラスターならワンチャン上位を狙えるよ
クラスターコンテンツ
クラスターコンテンツは、ピラーコンテンツ(親記事)を支える「子記事」です。
ピラーコンテンツ(親記事)では前述のとおりビッグ~ミドルキーワードを狙いますが、クラスターコンテンツ(子記事)ではピラーで狙うキーワードの関連ワード(ロングテールキーワード)を狙います。
クラスターコンテンツは「個別記事」とも呼ばれ、まとめ記事(ピラーコンテンツ)で軽く触れた話題をくわしく紹介する詳細記事としての役割を担います。
キーワードパターン | 具体的なキーワード例 |
---|---|
個別商品のレビュー記事 | 「ドスパラ ガレリア RM5C-R36T レビュー」 「こどもちゃれんじ イングリッシュ 評判」 「ewww image optimizer 使い方」 |
商標名 + 関連キーワード | 「apple watch se 安く買う」 「pixel6 ケース」 「ナッシュ 弁当 人気 メニュー」 |

ピラーコンテンツに関連するキーワードだよ

まとめ記事と詳細記事で相互に内部リンクをつなぐ感じね

実際のキーワードの例(具体的なモデル例)はこんな感じ。キーワード内容は適当です。
トピッククラスターの下層にさらにトピッククラスターを形成することもあります。
SEOに有利!トピッククラスターのメリット

SEOに有利なトピッククラスターのメリットを紹介します。
サイト構造がわかりやすい
トピッククラスターは、関連する記事同士をリンクでつなぎサイト構造を整理します。
サイトを訪れたユーザーが目的の記事へたどり着くまでのスムーズな導線ができているため、ストレスなく回遊できます。
また、検索エンジンのクローラーはリンクを辿って巡回するため、内部リンクでつながれたトピッククラスターはクローラビリティに優れた構造といえます。
つまり、トピッククラスターを導入することでユーザーと検索エンジン双方にとってわかりやすいサイトになるのですね。

クローラー(検索エンジン)にもユーザーにもわかりやすい構造ってこと
検索エンジンが評価しやすい
ピラーコンテンツ(親記事)はクラスターコンテンツ(子記事)からの内部リンクが集約されるため、検索エンジンから評価を得やすく上位表示の可能性が高まります。
前述のとおり、トピッククラスターを導入するとクローラーがスムーズに回遊できるため、インデックスの促進にもつながるでしょう。
また、トピッククラスターで得られるポジティブなユーザー行動(サイト内回遊など)は、SEOにプラスの効果をもたらします。
このように、トピッククラスターはさまざまな面でSEO的なメリットがあり、検索エンジンが評価しやすいサイト作りができるということですね。

トピッククラスターはメリットがいっぱい
カニバリが生じにくい
トピッククラスターで構成されたサイトは、キーワードのカニバリゼーションが生じにくくなります。
複数のページが同じキーワード(同じ検索意図)で評価されてしまう(競合して喰いあってしまう)こと。カニバリがおこると検索エンジンからの評価が割れるため、いずれのページも順位が上がらなくなる。
トピッククラスターは、ピラーコンテンツから派生する関連キーワードを、クラスターコンテンツで1つ1つ戦略的に狙います。
狙うキーワードをあらかじめ明確に決めるため、似たような内容の記事を複数作ってしまうことを避けることができるでしょう。
また、サイト構成がシンプルでわかりやすく、綺麗にリンクビルディングされているため、検索エンジンからの誤認識を防ぐことができます。
ビッグワードで上位表示が狙いやすい
ビックワードが上位表示されるのが難しい理由に、幅広い検索意図を含むことがあげられます。
トピッククラスターを導入すると、クラスター全体で情報が網羅されビッグワードでの上位表示を狙いやすくなります。
また、たくさんのクラスターコンテンツ(子記事)からの内部リンクが1つのピラーコンテンツ(親記事)に集約されるため、ピラーコンテンツのSEO的な戦闘力が強化されます。

ドラゴンボールの「元気玉」みたいなもんだね

それ、今の若い子たちに伝わる?
トピッククラスターの作り方と具体例

本章では、トピッククラスターの作り方の手順と具体例を紹介します。
ピラーコンテンツのキーワードを決める
まずは、ピラーコンテンツ(親記事)のキーワード(コアトピック)を決めます。
1語~2語で構成された、ビッグキーワードかミドルキーワードを選定しましょう。
ブログのメインテーマに合致したもので、需要のある(多くの人が検索する)キーワードが望ましいです。

ピラーコンテンツのキーワードをあまりビッグワードにしすぎると、クラスターコンテンツの記事数が増えるので注意!
- 「キャンプ飯 簡単」12,000回
キーワード選定の方法については下記の記事でくわしく解説しています。

クラスターコンテンツのキーワードを選定する
次にクラスターコンテンツ(子記事)のキーワードを選びます。
ピラーコンテンツ(親記事)で狙うキーワードに関連するロングテールキーワードを洗い出しましょう。
後ほど紹介する「ラッコキーワード」や「OMUSUBI」などのツールを利用し簡単にピックアップできます。
クラスターに含めるかどうか迷うキーワードは「ピラクラ」を使って調査します。

検索意図に注目し、クラスターコンテンツ同士のカニバリゼーション対策しよう!
- 「キャンプ飯 簡単 安い」1,800回
- 「キャンプ飯 簡単 おつまみ」450回
- 「キャンプ飯 簡単 子供」400回
- 「キャンプ飯 簡単 夏」300回
- 「キャンプ飯 簡単 映え」150回
クラスターコンテンツを作成する
洗い出したキーワードをもとに、1記事1キーワードで読者の検索意図を満たすようなクラスターコンテンツ(子記事)を作成します。

クラスターコンテンツは、より詳細で丁寧に解説する内容になるね
すでに多数の記事を書いてしまっているサイトをトピッククラスターで再構成する際には、既存記事の構成をマインドマップなどで見直したうえで、既存記事のリライトや記事の追加・削除が必要です。
すでにカニバリゼーションが起きているときには、その中でも上位に表示されている記事へ情報を集約(統合)し、削除しちゃう記事からは統合する記事に向けて301リダイレクトを行いましょう。

クラスターコンテンツ(子記事)を先に書いたほうがいいの?

どっちでもいいよ。クラスター形成を考えるうえで、書きやすいものから書いちゃってOK!
ピラーコンテンツを作成する
クラスターコンテンツがおおよそ揃った段階で、ピラーコンテンツ(親記事)を作成します。
同じトピッククラスター内のすべてのクラスターコンテンツ(子記事)からピラーコンテンツ(親記事)へ内部リンクでつなぎます。
必要に応じて(関連性が高ければ)、クラスターコンテンツ同士も内部リンクでつなぎましょう。
- 内部リンクでつなぐのは、同じトピッククラスター内の記事同士のみにするのがおすすめ
トピッククラスターに役立つ無料ツール5選

トピッククラスターを構成するときに役立つ無料ツールを紹介します。
ピラクラ
「ピラクラ」は、狙うキーワードをピラーコンテンツにするか、クラスターコンテンツにするかで迷うときに便利。
実際の上位ページで、該当キーワードがピラーコンテンツ・クラスターコンテンツのどちらに配置されているかを簡単に調べられます。
調査に必要なパスワードは、柏崎剛氏のTwitterで定期的に公開されているのでコピーして利用しましょう。

トピッククラスターを作るときに超使える無料ツールだよ
上図は「キャンプ飯」というメインキーワードに関連する「おつまみ」という関連キーワードで調査した結果です。
上位8ページのうち、「おつまみ」の話題をピラーコンテンツ(親記事)内で完結させているサイトは1件のみ。
「キャンプ飯 おつまみ」というキーワードを、別途クラスターコンテンツ(子記事)に分けて作成しているサイトは7件という結果になりました。
カニバリゼーションを起こす可能性も12%と低いため、「キャンプ飯」をピラーコンテンツに据えて「キャンプ飯 おつまみ」をクラスターコンテンツに構成する形が良いと判断できます。
一方で「キャンプ飯」と「簡単」で調査した場合は上記のとおり。
ピラーコンテンツ(親記事)の中に「簡単」のキーワードを組み込むべきだと判断できます。
- キーワードを振り分ける基準を知りたい
- カニバリが起きないように対策したい
OMUSUBI

OMUSUBI(オムスビ)は、メインキーワードと関連性の高いキーワードをグルーピングしつつ視覚化してくれるツール。
「そのキーワードが他のどんな言葉との組み合わせで検索されているのか?」をキーワードマップでグルーピングしつつ分かりやすく表示してくれます。
検索ボリュームは分らないので、後述する「キーワードプランナー」と併用して調査しましょう。

MIERUCAのキーワードネットワーク機能みたいなツールね

MIERUCAは高いけど、OMUSUBIは無料だよ
- キーワードの関連性をパッと見で把握したい
- 無料で手軽に関連キーワードを調査したい
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、キーワードまわりのあらゆる調査を幅広くおこなえる、オールインワンのSEO対策ツール。
サジェストキーワード・共起語・Q&Aなどの豊富なキーワード抽出機能により、クラスタートピックの候補をあげるときに役立ちます。
たとえば「キャンプ飯」で検索すると「子供」「おつまみ」「簡単」「定番」などのサジェストキーワードが一覧で表示されます。

2語、3語を組み合わせたロングテールキーワードを探したいときに便利ね
検索ボリュームも調査可能ですが、有料版(440円/月〜)のみの機能です。
無料でキーワードボリュームを調べたい際は、次の「キーワードプランナー」と併用しましょう。

まあ440円ってすごい安いし、キーワードプランナーもデメリットあるから、僕はラッコキーワードを有料版にしちゃうのがおすすめ
- クラスターコンテンツのキーワード候補を探したい
- 関連するキーワードを幅広くピックアップしたい
キーワードプランナー
キーワードプランナーはGoogleの公式ツール。
Googleが計測する正確な検索ボリュームを把握できる点がいちばんの魅力です。
しかし、Googleに広告を出稿しない場合には、上図のように「1000〜1万」などの大まかな数値しか見られません。
よりくわしい数値を調べたいときは(少額でもOKなので)リスティング広告を出す必要があります。
下記のように詳細な数値をグラフ付きで確認できます。

- キーワードのおおよその検索ボリュームが知りたい
- 需要のあるロングテールキーワードを探したい

調べるまでにひと手間かかるのと、広告出稿しないとざっくり数値しかわからないのがネック
検索ボリュームの調べ方については下記の記事でくわしく解説しています。

再検索キーワード調査ツール
再検索キーワード調査ツールは、ユーザーが一旦離脱して再度検索した際の検索キーワードを抽出できます。
再検索キーワードにはより具体的な検索意図があらわれているので、他のツールでは見つからないクラスター用のキーワードを見つけることができます。

他のツールで拾い切れなかったキーワードが見つかりやすいよ
前述で紹介した「ピラクラ」と同じく、柏崎 剛(@tkashiwazaki2)氏の開発ツール。
パスワードを柏崎氏のTwitterからコピーして利用可能です。
- より具体的な検索意図がわかる
- 他のツールと違うキーワードが見つかる
まとめ
トピッククラスターは、中心となるピラーコンテンツ(親記事)とそれを支えるクラスターコンテンツ(子記事)で構成された記事の集団です。
検索結果において、1記事では上位表示が難しいキーワードを集団戦で狙う戦略です。
トピッククラスターのメリットは以下のとおり。
トピッククラスターの効果を活かすためには、検索意図を満たす良質なコンテンツであることが前提です。
ひとつひとつの記事を丁寧に作成することに注力しましょう。
コメント