文字数の多い長文記事のほうがSEOに強いってほんと?
よく話題になるよね。今回は実際に検証してみたよ!
検索順位に影響する要素はたくさんありますが、なかでも文字数が検索結果に与える影響は意見がわかれます。
Google関係者をはじめ、SEO専門家の多くは「文字数と検索エンジンからの評価は関係ない!」とする人がほとんど。
しかしメディア運営者のなかには「でも文字数が多いほうが検索上位に上がりやすい!」という人も少なくありません。
はたして、どちらの意見のほうが正しいのでしょうか?
そこで本記事では「文字数と検索順位に相関があるかどうか」を実際に検索結果を見ながら調査してみました。
14キーワード・合計420サイト(ページ)で検証をおこなったので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
- 420サイトの調査結果より、記事の文字数が検索順位に与える影響を考察
- SEO対策において文字数よりも大切なことを解説
ちなみに、先日マクサンのX(旧Twitter)でアンケートをとったところ「文字数が検索順に影響する」と考えている人は58.6%との結果に。
文字数が多い長文記事のほうがSEOに強いと感じている人は、結構多いんですね。
【調査結果】文字数は検索順位に影響しない!
まずは結論から。
今回、14キーワードで全420サイト(ページ)を調査した結果、文字数と検索順位に直接的な影響はないという結論が得られました。
- 文字数が多いページが、かならずしも上位表示されるわけではない
- 検索意図を満たしていれば、少ない文字数でも上位表示される
- ユーザーの検索意図を満たそうとトピック(話題)を増やした結果、キーワードによっては文字数が多いページが上位表示されることはある
- つまり、文字数が直接順位に影響するのではなく、キーワードの検索意図によって間接的に影響する
文字数はSEOに関係ないんだ!
直接的にはね。くわしくは続きを読んでみて
下記の表は、調査対象キーワードの1-10位/31-40位/81-90位にそれぞれ表示されているページについて、文字数の中央値を一覧化したものです。(2024年3月調査)※調査方法の詳細は後ほど解説
検索キーワード | 検索ボリューム | 1-10位 | 31-40位 | 81-90位 |
---|---|---|---|---|
chrome 拡張機能 おすすめ | 7.6K | 8,170 | 4,302 | 5,371 |
ワイヤレスイヤホン おすすめ iphone | 3.2K | 16,135 | 10,016 | 9,557 |
ワイン コルク 開け方 代用 | 2.5K | 3,802 | 2,947 | 4,988 |
スマートウォッチ 健康管理 女性 おすすめ | 2.4K | 12,365 | 22,671 | 11,508 |
転職 看護師 | 1.9K | 6,225 | 21,435 | 3,759 |
アクションカメラ コスパ 最強 | 1.7K | 15,339 | 9,118 | 4,476 |
コンビニ コピー 値段 | 1.7K | 1,739 | 4,580 | 2,157 |
コーヒー 痩せる | 1.6K | 4,650 | 4,343 | 3,329 |
モンテッソーリ おもちゃ | 1.4K | 8,113 | 4,180 | 2,665 |
千葉 高校 偏差値 | 1.4K | 5,887 | 3,285 | 4,054 |
ロジクール キーボード ゲーミング | 1.2K | 10,408 | 15,782 | 4,476 |
ホットサンドメーカー パン以外 | 1.1K | 6,471 | 6,383 | 9,104 |
メンズコスメ プレゼント 20代 | 450 | 13,473 | 11,712 | 4,861 |
web デザイン 資格 | 150 | 9,504 | 6,014 | 6,444 |
※調査対象キーワードの検索ボリュームが多い順に上から表示
※もっとも文字数の多い順位帯を太文字で表示
これを見ると、文字数が多いページが1ページ目に表示されているキーワードが半数以上あるものの(57%)、そうでないキーワードも多いことが分かります(43%)。
今回は1ページ目・4ページ目・9ページ目の3パターンでしか調査しておりませんが、よりパターンを増やして調査すれば、もっと結果はバラけることでしょう。
つまり、文字数が多ければ(長文を書けば)かならず上位表示されるわけではないということです。
まったく関係ないわけではないけど……
少なくとも、文字数が多ければ必ず上位表示されるわけではなさそうだね
文字数が多いページが上位表示されているパターンを見ると、検索意図を満たすようなトピック(話題)を網羅した結果、自然と文字数が多くなり上位表示されている(=間接的に影響している)と考えらえます。
また、例えば「コンビニ コピー 値段」「ワイン コルク 開け方 代用」のような、短文の回答でも検索意図に応えられるキーワードにおいては短文記事でも上位に上がっている傾向も見られます。
つまり、検索エンジンの評価対象は文字数そのものではなく、より明確にスマートに検索意図を満たせているかだということが分かります。
多くの情報が求められるキーワードでは長文が評価されるけど
短文でいいキーワードでは、長文は無意味(むしろ逆効果)ってことね!
Googleのジョン・ミューラー氏もYouTube内で「記事本文の長短は検索順位に影響しない」と話しています。
つまり「文字数」そのものが検索順位に影響しているわけではなく、キーワードの「検索意図」に応えられているかどうかが検索順位に影響するのですね。
文字数と順位の調査方法と対象キーワード
過去、文字数の多さがSEO対策で有効といわれていたことがありました。
しかし、昨今のSEO対策では文字数のみで検索順位が決まるわけではないと考えられています。
「実際のところ、文字数と検索順位に相関関係はあるのか?」と、今回の調査を行いました。
さまざまなジャンルから14のキーワードを選び、各キーワードから30サイト分の文字数を調査しました。
キーワード 選定基準 | ・検索意図分類やカテゴリーがかたよらないよう分散 ・検索意図が明確なロングテールキーワードを中心に |
30サイト の内訳 | ・上位(1~10位)から10サイト ・中位(31~40位)から10サイト ・下位(81~90位)から10サイト |
選定した キーワード | 1.chrome 拡張機能 おすすめ (検索ボリューム:7.6K) 2.ワイヤレスイヤホン おすすめ iphone (検索ボリューム:3.2K) 3.ワイン コルク 開け方 代用 (検索ボリューム:2.5K) 4.スマートウォッチ 健康管理 女性 おすすめ (検索ボリューム:2.4K) 5.転職 看護師 (検索ボリューム:1.9K) 6.アクションカメラ コスパ 最強 (検索ボリューム:1.7K) 7.コンビニ コピー 値段 (検索ボリューム:1.7K) 8.コーヒー 痩せる (検索ボリューム:1.6K) 9.モンテッソーリ おもちゃ (検索ボリューム:1.4K) 10.千葉 高校 偏差値 (検索ボリューム:1.4K) 11ロジクール キーボード ゲーミング (検索ボリューム:1.2K) 12.ホットサンドメーカー パン以外 (検索ボリューム:1.1K) 13.メンズコスメ プレゼント 20代 (検索ボリューム:450) 14.web デザイン 資格 (検索ボリューム:150) ※ 検索ボリュームはahrefs上の数値 |
【結果を踏まえた対策】文字数よりも検索意図を満たそう
文字数と順位があまり関係ないことは分かったけど、じゃあ何が重要なの?
とにかく、検索意図を満たすことだよ!
検索上位に表示するためには、検索意図をスムーズに満たすことが重要。
もう少しくわしく説明すると、ユーザーの目的を素早く・簡潔に・必要最低限の情報量で解決してあげることです。
具体的な対策をいくつか紹介しましょう。
適切な情報量で書く
検索上位に表示させるには、適切な情報量で書くことが大切です。
適切な情報量って、何文字くらい?
一言ではいえないな
適切な情報量は、キーワードによって違います。
「ブログ記事の上位表示には最低●●●文字が必要!」みたいなことは言えません。
例えば「東京 天気」というキーワードで考えてみましょう。
東京の天気が知りたいユーザーに、1万文字の情報が必要でしょうか?
不必要どころか、かえって不親切ですよね。東京の天気なんて、数百文字あれば伝わるでしょう。
実際、上位表示されているページは500~600文字だったよ
次に「自動車保険 ランキング」というキーワードで考えてみましょう。
このキーワードでは、自動車保険のおすすめ個別商品をいくつか紹介するとともに、それぞれの違い、選び方のポイント、タイプ別のおすすめなど、かなりの情報量が必要そうですよね。
実際に上位表示されているページは14,000文字もある!
しかし、動画やイラスト、図表などをうまく使って説明することで、半分以下の文字量でより良い説明ができるかもしれません。
実際ユーザーも長文を読むことにストレスを感じるので、より短い説明のほうが嬉しいはず。
このように、必要な情報量はキーワードによって変わり、表現方法によっても変わるのです。
ユーザー目線で考えると、必要な情報を・必要最低限の文字数で伝えることが、読みやすく満足度の高い記事だと言えますよね。
検索意図を満たす
もっとも大切なのはユーザーの検索意図を満たすことです。
検索意図とは、ユーザーがそのキーワードで検索した目的のこと。ユーザーが解決したい悩み・疑問・欲求などです。
ユーザーは検索意図を解決するために検索し、あなたのWebサイトへ訪れます。
あなたはユーザーに「探してた答えが見つかった!」と感じもらい、満足してもらうことができる記事を作らなくてはなりません。
そういう記事を検索エンジンも評価します。
どうやったらユーザーを満足させられる?
ユーザーの目的や気持ち(=検索意図)をしっかりと考えることだね
「ユーザーの検索意図なんてわからないよ」と感じるかもしれませんが、下記のような方法で検索意図を推察することができます。
- サジェストキーワードや再検索キーワードなどの関連キーワードを調べる
- 現在検索結果の上位に表示されているページを見てみる
- 教えてGooやYahoo知恵袋などのQ&Aサイトで生の声を見てみる
- ユーザーがどこの誰であるか、どんな気持ちで検索したのかを想像する
検索意図については、以下の記事で解説しているのでぜひ参考にしてください。
専門性や信頼性を高める
記事の専門性や信頼性を高めることも大切です。
GoogleはE-E-A-Tを重視しており、専門性が高いサイトや記事のほうが高く評価されます。
※ E-E-A-T:「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の略
専門家や有資格者じゃない場合、どうしたらいい?
現時点で専門家や有資格者でない場合でも、じっくりと時間をかけてE-E-A-Tを証明していくことはできます。
E-E-A-Tを高めるには以下のような方法があります。
- 専門性の高い特化サイトにする
- プロフィールでE-A-Tをアピールする
- SNSを運用し、被リンク・指名検索・言及を得る
- 構造化データのマークアップをおこなう
- Who is情報を公開する
- 関係性の深い良質な被リンクをもらう
- 関連性の深い資格を取得したり、団体に所属する
- 書籍を出版する
- Googleマイビジネス(ビジネスプロフィール)に登録する
- メディアへの露出を強化する
- 賞・アワードを獲得する
- Wikipediaに掲載される
E-E-A-Tについては、以下の記事でくわしく解説しています。
文字数と検索順位の関係のまとめ
文字数と検索順位の関係を調べたところ「文字数が検索結果に与える影響はあくまで間接的」との結果でした。
SEO対策で重要なことは、ムダがない必要最低限の文字数で検索意図を満たせるコンテンツを作成することです。
そして、ユーザーを満足させられるような記事を作成すれば、おのずと適切なボリュームの記事となるはずです。
- ブログ記事の文字数と検索順位は直接関係はしない
- 文字数よりも、検索意図を満たせた記事が書けているかが重要
- 検索意図を満たすように記事を書くと、自ずと最適な文字数に落ち着く
まずはユーザーの悩みを解決できる記事作りを心がけましょう!
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