ブログ記事における「ファーストビュー」とは、サイトにアクセス後スクロールせずに見える画面のエリアのこと。
ユーザーがサイトを読み進めるかどうかを判断する、非常に重要な箇所です。
ファーストビューに広告を掲載すると「検索順位に影響する」と言われることも多いので、気になる人もいるはず。
ファーストビューに広告があると、検索順位は下がるの?
そう言われてるよね。実際に検証してみよう!
私たちは今回、ファーストビューの広告の有無が検索順位に影響するのかどうかを実際に420サイト(ページ)を調査し検証しました。
アフィリエイトでの収益化に取り組んでいる人、検索順位を上げたい人は、ぜひ参考にしてください。
ちなみに、Googleアドセンスではファーストビュー広告を推奨しているため、今回はアドセンス広告以外のASPアフィリエイト広告を対象に調査しています。
【調査結果】ファーストビュー内広告は検索順位に影響する!
「ファーストビューの広告の有無が検索順位に影響するのか?」の調査結果です。
結論としては「わずかながら影響している」と言えそうです。
差は小さいが、検索順位に影響している
実際の調査結果は下記のとおりです。
調査結果を検証したところ「(わずかな差ながら)ファーストビュー内の広告の有無は検索順位に影響している」と感じました。
やっぱり影響あったんだ!
「わずかに」だけどね
この調査では、検索順位を上位群(1-10位)・中位群(31-40位)・下位群(81-90位)の3群に分け、ファーストビュー内の広告数と検索順位の相関を調べました。
下記表は調査結果ですが、ファーストビューの広告数が0の順位群を赤文字で表示しています。
検索キーワード | 検索ボリューム | 1-10位 | 31-40位 | 81-90位 |
---|---|---|---|---|
コンビニ コピー 値段 | 1.7K | 0 | 0 | 0 |
コーヒー 痩せる | 1.6K | 0 | 0 | 0 |
ワイヤレスイヤホン おすすめ iphone | 3.2K | 0 | 0.5 | 0 |
メンズコスメ プレゼント 20代 | 450 | 0.6 | 0.4 | 0 |
ホットサンドメーカー パン以外 | 1.1K | 0 | 0 | 0 |
web デザイン 資格 | 150 | 0 | 0.1 | 0.2 |
モンテッソーリ おもちゃ | 1.4K | 0 | 0.1 | 0.2 |
千葉 高校 偏差値 | 1.4K | 0 | 0 | 0.4 |
ワイン コルク 開け方 代用 | 2.5K | 0 | 0 | 0.4 |
アクションカメラ コスパ 最強 | 1.7K | 0.1 | 0.1 | 0.3 |
ロジクール キーボード ゲーミング | 1.2K | 0.1 | 0 | 0 |
chrome 拡張機能 おすすめ | 7.6K | 0.4 | 0.2 | 0.2 |
スマートウォッチ 健康管理 女性 おすすめ | 2.4K | 0 | 0 | 0 |
転職 看護師 | 1.9K | 0.1 | 0 | 0.5 |
上位群(1ページ目)に注目すると、ファーストビューの広告数が0だったのは14キーワード中9キーワード。
中位群(31-40位)でファーストビューの広告数が0だったのは8キーワード、下位群(81-90位)の場合は7キーワードでした。
どの順位群でも広告数0のキーワード、中位下位にファーストビューの広告が少なく上位に広告が多いキーワードもあるものの、
全体的に見ると(わずかな差だが)検索上位になればなるほどファーストビューに広告がないページが多い傾向にあることが分かります。
各数値はどれも小さいので、あくまで「傾向」だね
Googleの目的は「広告収益を増やす」ことです。
Googleが検索エンジンのアルゴリズムを改善し続けているのも、Googleへの広告出稿量を増やしたいからです。
そう考えると、Googleが自社と関係のない広告をファーストビューに貼るメディアの評価を下げ、自社の広告に有利なアルゴリズムに変えるのは当然といえますよね。
もちろん、広告を貼るとユーザーの利便性が下がるから、という理由もあるよ
広告の必然性があれば影響は少ない
本調査では14キーワードを、ざっくりと「検索意図として複数の商品・サービスを紹介すべきキーワード」と「ハウツー系のキーワード」の2つに分けています。
「検索意図として複数の商品・サービスを紹介すべきキーワード」には、下記のようにファーストビューに広告があっても上位表示されているものがありました。
「メンズコスメ プレゼント 20代」「chrome 拡張機能 おすすめ」など4キーワード
複数の商品を紹介する必要がない「ハウツー系のキーワード」の場合、ファーストビューに広告がないほうが上位表示されていることが多い印象でした。
この結果をまとめると、下記のようなことが言えそうです。
- 広告の必然性があるキーワード(検索意図)であれば、ファーストビューに広告があっても問題ない
- 広告に必然性がないキーワード(検索意図)では、ファーストビューに広告がないほうが望ましい
- いずれのキーワードでも、広告がユーザビリティを阻害しないように注意すべき
14キーワードを種別で分けてみると、ユーザーが何を求めているのか(=検索意図)で影響度が異なるのではないかと考えられます。
真っ先に商品の情報が欲しいキーワードなら、ファーストビューに広告があっても問題ないということね
たぶんそうだと思うよ
アンケート調査の結果も「影響する」が多数
ちなみに、私たちが事前に行ったXのアンケート結果では、過半数が「影響する」と回答しました。
実際のメディア運営者の肌感としても、ファーストビューに広告(アドセンス以外)があると、順位が上がらないと感じている人が多いということですね。
アンケートでも、今回の調査と同じような結果になったね
ファーストビュー内の広告に関係するアルゴリズム
Googleは2012年1月に「ページレイアウトアルゴリズム」を導入しました。
ページレイアウトアルゴリズムは、ファーストビューに広告ばかりが配置されており、ユーザーが探している情報がなかなか見つけられないようなサイトの評価を下げるアルゴリズムのこと。
しかもこのアルゴリズムは過去に3回もアップデートされています。
3回も!?
それだけ重要なアルゴリズムだってことだね
以下の記述はGoogleの公式ブログからの抜粋です。
Rather than scrolling down the page past a slew of ads, users want to see content right away.
引用:Inside Search: Page layout algorithm improvement
If you click on a website and the part of the website you see first either doesn’t have a lot of visible content above-the-fold or dedicates a large fraction of the site’s initial screen real estate to ads, that’s not a very good user experience. Such sites may not rank as highly going forward.
引用:Inside Search: Page layout algorithm improvement
ユーザーはページを開いて下にスクロールした時に、大量の広告を通過するのではなく、すぐにコンテンツを確認したいと考えています。
ファーストビュー部分に充分なコンテンツが掲載されていないか、大部分が広告に割り当てられているような場合、それはあまり良いとは言えません。このようなサイトは今後、それほど上位にランクされなくなる可能性があります。
この更新以降、ファーストビューに広告が過剰に設置され、メインコンテンツが少ないページの評価が下がるよう、アルゴリズムが変更されました。
- 下にスクロールしないとメインコンテンツにたどり着かない
- 欲しい情報が広告に埋もれて見つけづらい
ただし、このアルゴリズムはファーストビュー内の広告を禁止したり、ファーストビューの範囲や貼ってもいい広告数の明確な基準を定めたりしているのではありません。
実際、影響を受けたサイトは全体の1%未満と少なく、ユーザーがすぐに知りたい情報を見つけられるよう配慮していれば、過剰に気にする必要はないでしょう。
ユーザビリティを意識していれば気にしすぎなくていいんだね!
ただ、このアルゴリズムはGoogleの方針が強く反映されているから、意図は理解しておこうね!
【対策】ファーストビューのユーザビリティに配慮しよう
今回の調査結果の要点は、以下の2点です。
- ファーストビューに広告がないほうが(わずかながら)検索順位が高い
- 必然性があれば(検索意図的に必要なら)ファーストビューに広告があっても構わない
この結果をふまえると、以下のような対策が考えられるでしょう。
ファーストビューにはなるべく広告を配置しない
まず、ファーストビューには、ユーザーの検索意図にそぐわない広告は配置しないようにしましょう。
そもそもGoogleは、ファーストビューにユーザーが望まない広告が大量にあると評価を下げるアルゴリズムを導入しています。
今回私たちが行った調査でも、検索順位が上位になればなるほどファーストビューの広告数0のページが多い傾向でした。
順位群ごとの数値の差は小さく、明確に「ファーストビューに広告があるとSEOに悪影響」と言い切れる結果にはなりませんでしたが、
Googleの方針を踏まえると「ファーストビューに広告はないほうがいい」という考え方で間違いなさそうです。
検索意図に沿ったファーストビューにしよう
ただし、その広告に必然性がある場合、必要最低限の広告を貼るのは問題ないでしょう。
検索意図的に、ユーザーが商品・サービスの情報を求めていることが前提ではありますが、オリジナリティ豊富でユーザビリティに配慮されたファーストビューが整えられていれば、広告があっても問題ないということです。
つまりは、広告であるかどうかにかかわらず、ユーザーが欲しい情報をすぐ見つけられるようにすることが大切なのですね。
【備考】調査方法の詳細
本調査では、実際にGoogleで検索し、検索結果に表示されるページのファーストビューを1つずつ確認して調べています。
調査対象のキーワードは、検索意図分類やカテゴリーに偏りが出ないよう注意し、ミドルボリュームのものを中心に下記の14個を選定しました。
キーワード 選定基準 | ・検索意図分類やカテゴリーがかたよらないよう分散 ・検索意図が明確なロングテールキーワードを中心に |
30サイト の内訳 | ・上位(1~10位)から10サイト ・中位(31~40位)から10サイト ・下位(81~90位)から10サイト |
選定した キーワード | 1.chrome 拡張機能 おすすめ (検索ボリューム:7.6K) 2.ワイヤレスイヤホン おすすめ iphone (検索ボリューム:3.2K) 3.ワイン コルク 開け方 代用 (検索ボリューム:2.5K) 4.スマートウォッチ 健康管理 女性 おすすめ (検索ボリューム:2.4K) 5.転職 看護師 (検索ボリューム:1.9K) 6.アクションカメラ コスパ 最強 (検索ボリューム:1.7K) 7.コンビニ コピー 値段 (検索ボリューム:1.7K) 8.コーヒー 痩せる (検索ボリューム:1.6K) 9.モンテッソーリ おもちゃ (検索ボリューム:1.4K) 10.千葉 高校 偏差値 (検索ボリューム:1.4K) 11ロジクール キーボード ゲーミング (検索ボリューム:1.2K) 12.ホットサンドメーカー パン以外 (検索ボリューム:1.1K) 13.メンズコスメ プレゼント 20代 (検索ボリューム:450) 14.web デザイン 資格 (検索ボリューム:150) ※ 検索ボリュームはahrefs上の数値 |
キーワードごとに1~10位(上位群)、31~40位(中位群)、81~90位(下位群)に分け、各記事のファーストビュー内の広告数をカウントし、順位との関連性に変化はあるのか調べています。
その他の条件は下記のとおりです。
- ファーストビューに自動表示されるアドセンス広告は除外して計測
- 検索結果にYouTubeが表示された場合「広告数0」としてカウント
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